離婚しても夫名義の賃貸マンションに住み続けることはできますか?
母子家庭の場合、貸主は賃料に不安があると思い、建物明け渡しの請求をすることがあります。
この場合、建物を借りていた名義が夫名義であったのであれば、その本人はすでに居住していないわけですから、名義人でない妻は、何の権利もなく出て行かなければならないように思うかもしれません。
しかしながら、夫がいなくなったというだけで、その他の居住実体が変わっておらず、賃料不払いもないのに、出て行かなければならないというのは不合理といえます。
最高裁の判例ではどうなっていますか?
この点、最高裁では、次のような事案で、借地権の譲渡を認めています。
■事案
⇒ 夫が宅地を賃借し、妻はその地上に建物を所有して同居生活をしていたところ、夫婦が離婚したので、夫が妻へ借地権を譲渡したという事案
■判決
⇒ 賃貸人は右同居生活および妻の建物所有を知って夫に宅地を賃貸したものである等の事情があるときは、借地権の譲渡につき賃貸人の承諾がなくても、賃貸人に対する背信行為とは認められない特別の事情がある。
また、同居していた内縁の夫が死亡した事案では、内縁の妻に対する貸主の明け渡し請求を認めなかった判例もあります※。
このように、判例では、居住権という言葉こそ使用していませんが、同居していた配偶者や内縁の妻の居住実態を保護しようとしてます。
よって、こうした考え方を踏まえますと、夫と賃貸借契約を締結し、妻が賃借人になっている場合には、離婚しても、妻が引き続き居住する権利は保護されると思われます。
つまり、夫との離婚後も、引き続きそのマンションに住み続けることが可能であるといえます。
※ただし、その後、法律で、相続人がいない場合には、内縁の妻等に賃借権が承継されることが明記されています。 |