不動産の法律ガイド



騒音や振動を理由に工事の差し止めはできるか

個人経営のレストランの売り上げが減ったり、子供が寝つかない場合は損害賠償請求できますか?

何か月もの間、毎日、工事の騒音と振動に悩まされるというのは、かなりの苦痛ですしストレスもたまるはずです。

しかしながら、「レストランの売り上げが減った」とか「子供が寝つかない」という理由だけでは、そう簡単に損害賠償請求はできません。

これは、工事の程度が良識の範囲内であれば、いくら住民が迷惑しているからといっても、それは「受忍限度」、すなわち我慢すべき限度とみなされてしまうからです。

ただし、工事の騒音や振動が社会常識を超えたものである、と地方自治体が認めれば話は変わってきます。

どうしても我慢できないという場合は、建築主との話し合いを持って、作業時間を制限してもらうとか、できるだけ騒音や振動が生じない作業方法に変更してもらうことなどを提案してみるとよいと思います。

それでも解決しない場合はどうしたらよいのでしょうか?

話し合いで解決できない場合は、都道府県や市町村の公害課に相談するという方法もあります。

例えば、地方自治体に振動の程度を測定してもらい、それが振動規制法で規定された基準を上回っていれば、都道府県知事が建築主に改善命令を出してくれる場合もあります。

なお、もし振動のせいで、店の壁にヒビが入ったなどという目に見える被害があるときには、建築主の不法行為が認められますので、建築主と施工者の両者に対して、物的損害賠償として修理費を請求することができます(709条)。

さらに、精神的苦痛を味わったということで、慰謝料も請求できることになっています。


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